Honorius
ホノリウス


☆ 教皇黒魔術師伝説数ある中の最有名人。主に『教皇ホノリウスの奥義書』の著者として名前が出る。

 『教皇ホノリウスの奥義書』自体が17世紀初頭の作であり、伝説の黒魔術法王の名前を借りただけのものであるといえる。ホノリウスを名乗る教皇は三名、その中で黒魔術に関係ありとされるのは主に三世である。

 ホノリウス三世、本名を Censius Savelli。1216年に法王となり、教会を鉄の規律で統制する。フランシスコ会、カルメル会の基礎を固め、十字軍を提唱し、多数の教令集を残している。カトリックの秘密警察ドミニコ会に正式の権限を与えたのもこの人物であり、どちらかといえば異端を力で潰した法王であるが、それゆえに憎悪の対象として黒魔術師呼ばわりされた可能性が強い。


図版はジオットが描いた聖フランチェスコ伝に見るホノリウス三世。

主要著作
参考文献 Levi, Eliphas, The History of Magic, Eng.tr. A.E. Waite, Rider, London, 1982.

関連ファイル 教皇ホノリウス奥義書


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