Mr and Mrs Horos
ホロス夫妻


☆ 米国出身の詐欺師夫妻。「黄金の夜明け」団最大のスキャンダルとなった《ホロス事件》の主役。

 両名とも詳しい経歴は不詳。ホロス夫人は米国出身のイカサマ霊媒のプロであり、頭の弱い金持ち老人から色仕掛けで金銭を巻き上げることで世の中を渡っていて、40歳になるまでに投獄されること二度に及んだと伝えられる。旦那のテオ・ホロス、本名フランク・ジャクソンは夫人が主宰していたインチキ教団の会計であった。

 ホロス夫妻は米国での活動中に「黄金の夜明け」団米国支部と接触して、英国の魔法結社の存在と内部情報を知ったようである。その後、この種の詐欺師の宿命として、1カ所に長く滞在するわけにもいかず、夫妻はヨーロッパに渡り、1900年初頭にパリのマサースを訪問している。この時にホロス夫人は《秘密の首領》アンナ・シュプレンゲルの魔法名を自称して、マサースをひっかけて儀式文書その他を入手、すぐに逐電している。
 その後夫妻は南アフリカで相変わらずのインチキ商売を展開し、逮捕寸前のところを脱出。1901年にはロンドンに現れ、ガウアー・ストリートで「黄金の夜明け」団をネタにしたインチキ教団 The Order of Theocratic Unity を開業。1901年9月26日に少女暴行、金銭詐取その他の容疑で逮捕され、同年12月の公判で有罪が確定、夫妻はそれぞれ懲役15年と7年の刑をくらっている。刑期満了後、フランク・ジャクソンはオーストラリアに渡っている。マダムの消息は不明。

  《ホロス事件》が「黄金の夜明け」団に与えた衝撃は大変なものであった。マサースから騙しとられた儀式文書(0=0)が法廷で読み上げられ、新聞紙上では「黄金の夜明け」が婦女暴行と同レベルで報道されたのである。これを契機に多数の者が退団していった。
 この大惨事に間接的責任があるマサースは、夫妻は単なる詐欺師ではなく、強大な吸血鬼にして敵対する黒魔術結社から送り込まれた破壊工作員であったと主張している。

主要著作
参考文献 King, Francis: Ritual Magic in England, Neville Spearman, London, 1970.
Dingwall, E.J.: Some Human Oddities, Home & Van Thal LTD, London, 1947.



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