James I
ジェームズ一世
(1566-1625)


在位(1603-1625)

☆ スコットランド国王ジェームズ六世にして英国国王ジェームズ一世。悪魔学を研究し、著書まで発表した国王として有名。

 エリザベス一世の後を受けて国王となり、スチュアート朝を開いたが、王権神授説論者であったためにしばしば議会と対立。国教の強制と清教徒の圧迫、三十年戦争に対する外交政策の失敗などで、あまり評判のよくなかった王様である。
 ジェームズ一世の魔女と悪魔学に対する興味はエジンバラ時代にまでさかのぼるもので、1590年に起きた「ノース・バーウィックの魔女」裁判では国王自ら裁判を行い、魔女の実在を信じるに至っている。当時、英国ではレジナルド・スコットが魔女も悪魔も迷信・幻覚に他ならないとの主張を行っており、スコットランド国王はこれに対抗すべく『悪魔学』という著書を発表することになった。
 英国国王ジェームズ一世となってからは、まずスコットの著作を焚書に処し、1604年には魔女法を改正して、さらに厳しい処罰を導入するなど、魔女嫌いの国王としての面目を施している。
 しかし、現実問題として、魔女裁判につきものの幻覚、いかさま、虚偽の告発に数多く接することで、ジェームズ一世にも懐疑心が芽生えており、晩年には魔女などは殆どが幻覚であるとの結論に達している。

 魔女云々以外には、欽定訳聖書の編纂を命じた国王として歴史に名を残している。


主要著作 Daemonologie, Edinburgh, 1597.: London, 1603.
参考文献
関連ファイル 悪魔学序文


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