イサゴーグと称される
魔術アルバテル
第一巻
可視、不可視を問わず万物を創造せられたる主の御名によりて、また求め訴えたる者に宝物庫を開いて神秘を明かされる主の御名によりて。また惜しみなく秘密をわれらに賜う慈父の如き主の御名によりて。神のひとり子われらの主イエス・キリストを通じて、われらに恩寵と啓示の霊を与えたまえ。さればわれらはこのアルバテルの書を記し、人の身にその行使を許されたる最大の秘密を解き明かさん。
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七格言 第一集

第一の格言
秘密を知る者はだれであれ秘密の守り方を学ばせよ。そして明かすべき秘密の明かし方を学ばせよ。さらに封印すべき事柄の封印の仕方を学ばせよ。そして聖なるものを犬に与えぬよう、また豚に真珠を与えぬよう学ばせよ。この法を遵守すべし。されば汝の理解の眼は開かれよう。されば汝は秘密の事物を理解し、汝が望む事柄は神秘のうちに汝に明かされるであろう。天使と神の霊が汝にかしづき、汝の命を待つようになるであろう。まさに望外というべきである。


第二の格言
あらゆる物事に主の御名を唱えるべし。また神のひとり子を通して神に祈ることなしには、何事も引き受けるべからず。汝に召使として与えられし霊たちを用いるに際しては、これを神の使いとして手荒く扱うことなかれ。霊の主には相応の敬意を払うべし。されば汝の残りの人生において、安息のうちに身を慎みつつ、主の栄光と汝と汝の隣人の利益を達成できるであろう。


第三の格言
ひとりにて生きよ。詩j神たちを伴侶とせよ。大衆との交流を避けよ。時間を惜しめ、あらゆる人にとって益となる存在たれ。天の賜物を用いよ、天職を心がけよ。神の言葉が決して汝の口を去らぬようにせよ。


第四の格言
よき忠告には従うべし。何事も先延ばしにすることなかれ。言動行動において常に誠実謹厳たれ。神の言葉によって誘惑に抗すべし。世俗を避けよ。天上なるものを求めよ。自らの知恵を信頼することなく、万事において神を仰ぐべし。聖書にもこう書かれたり。「なにをすべきかわからなくなったときは、おお神よ、わたしたちは眼をあげ、あなたの助けを求めます」。フィロの格言にいわく、すべての避難所がわれらを見捨てるときにも、神の助けの手が差し伸べられよう。

第五の格言
心をつくし、精神をつくし、力をつくし、思いをつくして、主なる汝の神を愛せよ。また自分を愛するように、汝の隣人を愛せよ。されば神は汝を目に入れても痛くないほどに可愛がってくださるであろう。主は汝をあらゆる邪悪から守り、あらゆる善をふんだんにくださるであろう。かくの如くなれば汝の魂はもはやなにも望むところがなくなるであろう。すべては汝の肉体と魂の救済にかかっている。


第六の格言
なにを学ぼうとも頻繁に復習し、しっかりと心に刻み込むべし。学習には時間を費やさねばならぬが、数多くを学んではならない。人間の精神は多くを同時に学習するようにはできていない。それができるのは神によって再生された者だけである。そのような者にとっては、同時に達成できないほど難しいという物事は存在しない。


第七の格言
悩みの日にわたしを呼べ、わたしはあなたを助け、あなたはわたしをあがめるであろう、と主は言われる。すべての無知は精神の困苦である。ゆえに無知なるときは主を呼ぶべし。汝の声は聞き届けられるであろう。そして神をあがめることを忘れるなかれ。詩篇にいわく「主よ、栄光をわれらにではなく、ただ、御名にのみ帰してください」。



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