古風な絵が一方の柱に白地に黒線で描かれており、他方の柱には黒地に白線の絵が描かれている。その象徴するところは、対立する力の交換と中和であり、また可視の自然に力を与える光と闇の永遠の均衡である。

『黄金の夜明け魔術全書』上巻67p



 白黒の二柱は、理想と現実のギャップが激しい大道具である。理想をいえば大理石に本気の線刻あるいは浮き彫りであろうが、費用がかさむだけでなく、その重量がネックとなる。二柱は儀式中に頻繁に移動するからである。

 現代の魔術結社にあっては、木柱が主流である。立方体の土台部分にセメントを流し込むことで安定性を増す。エジプトの死者の書から採ったイラストを省略している結社も多い。白黒の塗り分けはもちろんペンキである。

 しかし、木柱ですら実のところ贅沢品となっている。水道工事に用いる塩ビ管の太いやつに塗装を施す例もある。



 上のCGは現代結社が用いる二柱の一般例である。エンタシス柱のほうが趣きがあるのだが、直円筒のほうが塗装が簡単という事情もある。土台部分はがっしりした造りで仕上げること。儀式中に柱が倒れるなど、言語道断であろう。




戻る