The Hermetic Society
ヘルメス協会
活動期間 1884−1886

創立者 Anna Kingsford, Edward Maitland
本部 − − 
主要メンバー Anna Kingsford, Edward Maitland
活動形態 夏場の週一回の公開講演および討論。


☆ヴィクトリア朝後期の公開組織。東洋系を主眼とする神智学協会に対抗する形で組織されたもので、短期間ながら当時の有力研究者が集う組織として積極的に活動していた。カリスマであるキングスフォードが健康を害してからは休会となり、彼女の没後に自然消滅している。

活動記録

1884年

 4月22日 会創立
 5月 9日 ラトランドゲート43番地のフランシス・ロイド邸にて第一回集会を開く。講演題目はアンナの「聖ジョージと竜に関して」。
 5月19日 第二回集会。メイトランドの「至高常識としての啓示」。
 6月12日 第三回集会。アンナの「キリスト教徒の信条」。
 6月19日 第四回集会。アンナの「キリスト教徒の信条」第二回。
 6月26日 第五回集会。メイトランドの「神秘家と物質主義者」。
 7月 3日 第六回集会。アーサー・リリーの「インドのヨガ」。
 7月10日 第七回集会。アンナの「キリスト教徒の信条」第三回。
 7月17日 第八回集会。アンナの「キリスト教徒の信条」第四回。
 7月24日 第九回集会。アンナの「キリスト教徒の信条」第五回。
 7月31日 第十回集会。アンナの「キリスト教徒の信条」第六回。

1885年

 4月27日 アルベマール街22番地の王立アジア協会講演室にて二年目第一回集会を開く。講演題目はアンナの「コレー・コスモスあるいはヘルメス断章」。
 5月 6日 第二回集会。アーサー・リリーの「カバラと仏教」。
 5月13日 第三回集会。アンナの「神秘家の手法」。
 5月20日 第四回集会。メイトランドの「神秘主義の復興」。
 5月27日 第五回集会。C・C・マッシーの「カルマ」。
 6月 3日 第六回集会。メイトランドの「旧約聖書の象徴体系」。
 6月10日 第七回集会。ローデン・ノエルの「キリスト教における歴史要素の価値」。
 6月17日 第八回集会。メイトランドの「福音書の意図と手法」。
 6月24日 第九回集会。C・C・マッシーの「個性」。
 7月 1日 第十回集会。アンナの「聖人たちの聖体拝領」。

1886年

 4月13日 アルベマール街22番地の王立アジア協会講演室にて三年目第一回集会を開く。講演題目はアンナの「聖書解釈学的聖書」。
 4月22日 第二回集会。メイトランドの「高等錬金術」。
 5月 4日 第三回集会。ローデン・ノエルの「ヤーコブ・ベーメ」。
 5月18日 第四回集会。アーサー・リリーの「インドのラマ僧。そのオシリス的かつエレウシス的密儀との関連」。
 5月27日 第五回集会。メイトランドの「創世記に関する忘却された見解」。
 6月 3日 第六回集会。S・L・マグレガー・マサースの「カバラ」。
 6月10日 第七回集会。モヒニ・M・チャタージの「クリシュナ」。
 6月22日 第八回集会。メイトランドの「高等錬金術」第二回。
 6月29日 第九回集会。メイトランドとアンナの共同論文「自我の本質と構造」。メイトランドによる発表。
 7月 8日 第十回集会。マグレガー・マサースの「物理的あるいは低次錬金術」。
 7月15日 第十一回集会。メイトランドの「新たなる啓示」。
 7月22日 第十二回集会。アンナによる「キリスト教徒の信条」第三回の再講演および質疑応答。
 7月29日 第十三回集会。W・ウィン・ウェストコットによる「形成の書」。

 地理 : 基本的に木曜の午後五時から開始。ロイド邸があるラトランドゲートはハイドパークの南、ナイツブリッジ沿いをちょい入ったあたり、巨大なヴィクトリア朝建築が並んでいる。二年目以降の会場である王立アジア協会はピカデリーを西に下ってロイヤル・アカデミーを少し過ぎて右側、いわゆる「ロイヤル・インスティテューション」の一角にあり、ヘルメス協会の講演は階段講堂で行われたと推測される。

主要著作
参考文献 Kingsford, Anna, The Credo of Christendom, Watkins, London, 1916. (この書物には1884年発表のアンナの講演「キリスト教徒の信条」その他が収録されており、さらには編者のサミュエル・ホプグッド・ハートの93ページに及ぶキングスフォード評伝が前書きとして付加されている。ヘルメス協会研究には必須の書である)。


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