アルカナXIX

文字 Quitolath (Q) -- 数字 100

輝光 : 地上の幸福


 Q−100は神界にあっては至高天をあらわす。知識界にあっては神聖真理をあらわす。物理界にあっては安息と平和をあらわす。

 アルカナXIXは輝く太陽のもと、二人の幼子が花の輪の真中でたがいに手をつなぐ姿であらわされる。幼子は無垢の似姿であり、素朴な生活と我欲を抑える中庸によって約束される幸福の象徴である。

 大地の息子よ、心に刻むがよい。密儀の光は意志に奉仕する際は危険なほど流出するのである。その使い道を知る者には啓発をもたらす。力を知らぬ者や悪用する者は光に撃たれるのである。

‐‐ ポール・クリスチャン 『魔術の歴史と実践』(1871)

参考


エリファス・レヴィ 「輝く太陽、二人の裸の幼子が要塞化された囲いのなかで手をつなぐ。他のタロットには、運命をほどく紡ぎ手や、白馬にまたがり赤い軍旗をかざす裸の子供という意匠のものもある」-- 『高等魔術の教理と儀式』 (1855)


パピュス 「二人の裸の子供が城壁の内側に立つ。太陽の光が二人に降り注ぐ。黄金のしずくが太陽からもれでて地面に滴っている」 -- 『ボヘミアンのタロット』 (1889)


ウェストコット 「第19のタロット・トランプは天に輝く太陽をあらわす。その光は二人の子供の上に降り注ぐ。子供たちは互いに手をつないで立っており、その背後には石壁が見てとれる。ときとしてこの石壁は花々に取り囲まれる」 -- 『サンクタム・レグナム』 (1896)


ウェイト 「白馬にまたがる裸の子供が赤い軍旗をかざしている。前述のように、このカードに関してはこれがより適切な象徴である」 -- 『タロット図解』 (1911)


解説 : 運命をつむぐ人物としての「太陽」はいわゆるグランゴヌール・デッキから存在する。白馬赤旗タイプは17世紀のフランスからフランドル地方で製作されていたようだが、18世紀には廃れたようである。




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