PAMELA
COLMAN
SMITH


(1878-1951)

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『ウィディコム・フェア』に描かれていたPCSの署名入り直筆水彩画。その風貌からPCSの自画像と推測される。

Supposedly a PCS's self portrait watercolor, signed (found in #400 of The Widdicombe Fair).
メアリー・K・グリアー女史所蔵の『ウィディコム・フェア』に描かれているポートレート。エディス・クレイグを描いたものと思われる。画像を提供してくださった女史に深甚なる感謝を表明させていただきます。

Presumably a portrait of Edith Craig by PCS. Found in #304 of The Widdicombe Fair in the collection of Ms Mary K. Greer.
We would like to express deep gratitudes to Ms Greer who kindly gave us permission to reproduce the image here.




from Seumas MacManus, In Chimney Corners (New York: the Doubleday & MacClure Co., 1899).

PCSの彩色挿画と線画の小カットを多数収めたアイルランド炉辺民話集。クロス装全面からPCSのイラストで始まるという凝りようで、新進気鋭の女流イラストレーターに対する出版社の期待ぶりもうかがわれる。
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The Kensington a Magazine of Literature, Art and The Drama vol. I.
edited by Mrs Steuart Erskine and R. J. Richardson
Simpkin Marshall Hamilton Kent & Co.
Stationers Hall Court, London, E.C.. MDCCCCI.


1901年、エドワード朝とともに始まった総合芸術雑誌である。巻頭言にいわく、「良識、低価格、正統的な趣味の雑誌たらんことを欲す。内外の美術、音楽、演劇の批評、詩、随筆、対話編、討論を掲載し、パリ、ローマ、ミュンヘン他の芸術中心地の動向の月例報告、ケンジントン界隈の情報も押さえんとす」と盛りだくさんである。ここに掲載されたクリストファー・セントジョンの劇評に、パメラ・コールマン・スミスのイラストが添付された。

『ケンジントン』誌は結局わずか7号を出したのみで休刊となったが、イエイツの短編一本のほか、オルセア・ジャイルズの詩が2本、またセシル・フレンチ、ゴードン・クレイグ、アリクス・エジャトン等、のちにPCSの盟友となる人物が雁首を並べている。

そして日本の読者は目を疑うことになる。パメラ・コールマン・スミスの筆になるマダム貞奴の姿はあまりに鮮烈であろう。
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"The Garrick Theatre and the Prince of Wales's were, until the other day when Peg Woffington was withdrawn from the latter theatre, given up to revivals of those artificial plays of twenty and thirty years ago, which the critics of today, who want real life and its problems on the stage, despise." - - Christopher St John.

18世紀アイルランドの伝説的女優ペグ・ウォフィングトンを題材にした劇『ペグ・ウォフィングトン』の一場面。このときの主演女優はマリー・テンペスト(1864-1942)。
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「旅回りの役者」と題される、ほぼ漫画といってよい三ページの作品。一枚目に描かれた人々は、エレン・テリー、ヘンリー・アーヴィング、その横の若者はゴードン・クレイグか。ライシアム劇団の地方巡業を描いている。
よく見ると、場面場面に番号が振ってある。いよいよ楽屋落ちの漫画といった風情。PCSはこの種の戯画を得意としており、1899年のライシアム劇団アメリカ巡業の際にも同様の作品を残している。
三枚のうち、最初の一枚は通常の用紙に印刷され、残る二枚はオニオンスキン紙に印刷されている。ゆえに基本的な発色が異なっている。

Of the three pictures the first was printed on a thick normal paper page while the other two were on onion-skin papers.
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エドマン・ロスタン作の劇『ラグロン』におけるサラ・ベルナール。劇題は「鷲の子」の意であり、弱冠21歳で世を去ったナポレオン2世の生涯を描いた作品。当時50代半ばのベルナールが男装して演じている。ほぼ同時期、アメリカでは英訳された舞台がモード・アダムズ主演で公開されており、大西洋を挟んだ新旧美人女優の競演という風情があった。
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"I'm sorry to find that the unjapanning of Kawakami's company has progressed considerably since their first visit here. More ladies have been introduced into the cast, and because Miss Loie Fuller does her serpentine dances between the two plays in th bill, her coloured lights are turned on to the Japanese scene, and destroy the Utamaro-like colouring altogether....Madame Yacco, as you all know, was the rage of Paris during the Exhibition. Madame Sarah Bernhardt was told that she ought to go and learn from her how to act, and , by the usual silly reduction to one standard, the little Japanese actress was praised as the pocket edition of Duse. It seems ungracious to deny anything to such a dear and charming person as Sada Yacco, yet I must say at once that all this is the mere nonsense of a craze." -- Christopher St John

「最初の英国訪問の時と比較して、川上一座の脱日本化が少なからず進行しているのが残念である。配役に女性が増えているし、幕間に入るミス・ロイ・フラーの蛇踊りのカラー照明が日本劇にも使われてしまい、ウタマロ的配色が台無しになっていた…ご存知のようにマダム・ヤッコはパリ万博の期間中、パリで熱狂的に賞賛された。マダム・サラ・ベルナールですらサダヤッコに弟子入りして演技を学べとまで言われてしまったし、相変わらず物差しがひとつしかない愚者たちの単純化と言おうか、この小柄な日本女優はデュセのポケット版と称えられたのである。サダヤッコのような愛らしく魅力的な人物に否定的な物言いをつけるのは無作法かもしれないが、パリの熱狂ぶりは単なるナンセンスと言わざるをえない」 −−クリストファー・セントジョン

おそらくPCSの作品中、日本関係をストレートに描いた数少ない作品。背後に控える髭面の鎧武者は川上音二郎、団扇で踊るのは当然マダム貞奴。サダヤッコを「アイドルとしてはともかく女優としては疑問。演技や演出が西洋化するにつれ魅力が薄れていく」とするクリストファー・セントジョンの観察はきわめて正確であろう。




William Gillette as Sherlock Holmes, R.H.Russell, New York, 1899.

1899年、ニューヨークにて初演されたウィリアム・ジレット主演の舞台『シャーロック・ホームズ』の劇場販売用パンフレット。印刷発行元はニューヨークのR.H.ラッセル。

ウィリアム・ジレット(1856-1937)はパメラの親戚筋にあたり、こののち当代随一のホームズ役者として1200回もの公演をこなすことになる。画像としてのホームズが確定するにあたり、挿絵画家シドニー・パジェットと役者ジレットが果たした役割はきわめて大きいとされている。
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from Women Designers of Book-Plates

by Wilbur Macey Stone (New York: 1902, Randlph R. Beam),

各国の女流画家、イラストレーターが作製した蔵書票のコレクション本。
400部限定にて出版。

パメラ・コールマン・スミスが俳優フランク・タイアースのためにデザインした一枚が収録されている。

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「数年前、彩色本として出版されたパメラ・コールマン・スミス嬢の『ウィディコム・フェア』は、装飾イラストの愛好家たちに喜びと驚きをもって迎えられ、美術界に新たな人材が登場したことを知らしめた。以来スミス嬢は他の類似作を発表し、また数種の蔵書票も手がけている。後者は完全な印象派の如き趣きであり、その種のものを好む人には大歓迎されるだろうが、写実主義者には真に棘の如きものであろうか」 前掲書序文より




from Lady's Realm Vol. 14
p.141(London; Huttinson & Co., 1903).

Ellen Terry as Hjordes in Ibsen's The Vikings.

1903年、ゴードン・クレイグのプロデュースで上演されたライシアム座公演、イプセンの『ヴァイキング』の一場面より。大女優エレン・テリーの姿をすぐそばでスケッチできるのはPCSの特権のひとつであった。
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A scene from Henrik Ibsen's The Vikings produced by E. Gordon Craig at the Lyceum, (1903).



野口米次郎著『英米の十三年』春陽堂、明治38年。

Yone Noguchi, Eibei no Jusannen, Shun-yo-do, Tokyo, 1905.

英米にて詩人として評価を得た野口が、いわば凱旋帰国記念に発表した近況報告。この書のなかにPCSが描いたイエイツの肖像画が収録された。おそらく日本で最初に紹介されたPCS作品であろう。

Yone Noguchi (1875-1947) is a Japanese poet who gained some fame in the U.S.A. and the Edwardian London. The title means "Thirteen years in England and America" and tells how he managed to suceed as a poet and his social going around with eminent people such as Yeats, Lady Colin Campbell, R.G. Rossetti, Alice Maynell etc.
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PCS's Yeats portrait on p.179.

There is an advertisement for this portrait at the back of the supplement of The Green Sheaf no.9 "A Dream" by John Todhunter, which reads " A Porttait of W.B.Yeats, from a Drawing by Pamela Colman Smith. A Photogravure Plate has been made, and a limited Edition of 50 Proofs on Indian Paper (signed) price 15s. nett, post free. Prints from the plate, 2s. 6d. nett, post free. To be obtained from the Editor of The Green Sheaf." This is presumably the earliest PCS work shown in Japan.
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from "Pictures In Music" in The Strand Magazine,
1908 June issue. (George Newnes, London)

かの『ストランド・マガジン』に掲載されたPCS音楽絵画記事。随所にPCS自身の言葉がちりばめられており、資料性も高い。

記事の前半はPCSの紹介とインタビュー、後半は詩人ハイネがパガニーニの演奏に接した際のヴィジョンを紹介している。


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Bach,
"Chromatic Fantasy"


Chopin,
"Ballade, no.1. OP.23. in G Minor"


Beethoven,
"Sonata Pathetique"
Beethoven,
"Symphony no.3 in C Minor"
article
Schumann,
"Concerto in A Minor,
Castle of Pain"


Tschaikovsky,
"Overture 1812"




from "Pictured Music" in The Current Literature,
1908 August Issue (Current Literature Pulbisoing Comany, New York)

実質的には『ストランド・マガジン』記事の転載。収録されたイラスト6枚中、2枚は上にあるバッハとショパン。残り4枚は楽曲を聴いた直後に描かれたラフスケッチと思われ、資料的に貴重である。


Article text here

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Beethovenesque
A reverie inspired by Beethoven's Pastral Symphony
Waves and Magic Spearman
Suggested by Beethoven's
Eighth Symphony
The Devil's Sonata "O, Immeasurable Steppe!"
suggested by a symphonic poem by Sigismund Noskowski




from The Book-Lover's Magazine.

Vol. VIII. 1909.(Otto Schulze and Company, Edinburgh).

エジンバラにて刊行されていた愛書家のための雑誌『ブックラバーズ・マガジン』に掲載されたPCS作の蔵書票。記事自体はイエイツの姉妹たちが立ち上げたダン・エマー・プレス社(後のクアラ・プレス)を扱うもの。

記事にいわく「ミス・パメラ・コールマン・スミスがデザインしたグラディス・ウンガーのための蔵書票 … ウンガーが女優であることは紹介する必要もないだろう。彼女はまさに”出番”という姿で描かれている。闇に沈む満員の客席と明るく照らし出された舞台が巧妙に演出される一方、楽屋裏のリアリズムも見事に描かれている。女優がまさに踏み出そうとしている舞台の袖、そこに置かれた背景装置の裏に、かすかながら“第二幕”という文字が読み取れるのだ」。

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"Quite different in stule and treatment is the book-plate of Miss Gladys Unger, designed by Miss Pamela Colman Smith. It is hardly necessary to add that Miss Unger is an actress, who is here depicted as "taking a call". the effect of the crowded theatre in darkness and the stage brilliantly lighted has been cleverly managed, while the realism of the stage, behind the scenes, is strikingly illustrated, for at the back, behind the wing from which the actress is stepping to "take her call", one can faintly discern the letters, "Act. II". ( from "The Dun Emer Press" by Adeline Hill Tickell, The Book-Lover's Magazine Vol. VIII, 1909, pp. 10-11.),






from Bram Stoker, The Lair of the White Worm (London: William Rider and Sons, 1911).

ブラム・ストーカーの最後の小説作品“ホワイトワーム”につけられたPCSの彩色挿絵群。同年刊行のファウルシャム版は挿絵がないので注意を要する。小説『ドラキュラ』で一世風靡したストーカーは、実生活にあっては名優ヘンリー・アーヴィングのマネージャーとして辣腕を振るって当時の英国演劇界で一目置かれた存在であった。PCSとは懇意の仲であり、前者から「アンクル・ブラミー」と呼ばれている。

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from Eunice Fuller, The Book of Friendly Giants (New York: the Century Co., 1914).

PCSの挿画本としてもっとも完成度が高い作品。多数のモノカラー図版、B&W図版が収録され、質も良い。クロス装のイラストに始まり、見返しもPCSのイラストを全面に出している。
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Cover designs for The Poetry Bookshop Publications

第一次世界大戦中のパメラ・コールマン・スミスの活動には不明の点が多いが、ハロルド・モンローが経営していた小規模文芸書肆「ザ・ポエトリー・ブックショップ」刊行のブックレットの表紙を描いていたことは確認されている。現物は180ox127oのソフトカバーで、中身も多くて32頁程度の極めて脆弱な小冊子である。

1. Sing Songs of the War by Maurice Hewlett, London, 1915.
2. Songs by Edward Shanks, London, 1915.

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from Edith Lyttelton, The Sinclair Family (London: Heath Cranton., 1926). with twelve illustrations by Pamela Colman Smith.

現在確認されている最後のPCS挿画本。モノクロのイラスト12枚が収録されている。挿画モノグラムに併記されている数字から1925年の製作と思われる。

作者のエディス・リテルトン(1865−1948)は上流階級をテリトリーとする、いまでいうセレブ。政治活動を行う一方、劇作、評伝等を発表。「シンクレア一族」は彼女唯一の小説作品。

リテルトンとPCSの接点は、両者が関わった一次大戦中の戦時難民救護活動にあると思われる。リテルトン自身は大変な演劇マニアであり、自ら戯曲を七本も執筆している。また児童文学イラストを愛好し、フローレンス・K・アプトンの伝記を出すなどしているため、その路線でPCSに関心を持ったのであろう。ただしリテルトンは1913年に夫アルフレッドに先立たれたことがきっかけとなってか、それ以降心霊術に没頭するようになり、イエイツが主宰する心霊術サークルの常連となっている。後年SPR心霊調査協会の会長もつとめ、超意識や予言に関する著作も残しているため、このルートでPCSに出会ったとしても不思議ではない。

The link between PCS and Edith Lyttelton (1865-1948) seems to be in the War Refugee Relief Fund of WWI which both women were concerned with. Lyttelton was a great lover of theatre (wrote seven plays herself) and illustrations of children's literature; it's no wonder she became intrested in PCS. However, we must take into consideration that Lyttelton was an important member of Yeats's spiritualism circle. She became the President of the council of the Society for Psychical Research (1933-34).


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第一次世界大戦 戦時ポスター

PCSが第一次世界大戦中に描いたポスター。
とりわけ左の「ポーランド戦災犠牲者救援基金」ポスターはタロットの「審判」と「世界」を思わせる貴重品であり、また一般向けに描かれたPCSの作品としてはほぼ最後のものとなっている。米国議会図書館デジタル映像ファイルより再現。


WWI Wartime Poster by PCS

"Polish Victimes' Relief Fund" reminds one of the "Judgment" and "The World" of Major Arcana. This is almost the last of the works of PCS drawn for the public in general.

*these images are reproduced from the public domain digital files from the Library of Congress Prints and Photographs Division Washington, D.C.
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"Polish Victims' Relief Fund - Most Holy Virgin of Czenstochowa" 1915. The Honorary Secretary of this Fund was Miss Laurence Alma Tadema, a friend of PCS.
The Congress Library does not mention the creator's name. Her usual PCS signature can be seen at the lower left corner.
Bull Dog Soldires' and Sailors' Club.

陸海の兵士の慰労パーティー宣伝ポスター。





The Pictorial Key to the Tarot
by Arthur Edward Waite

ウェイトの『タロット図解』には多数のエディションが存在し、カラー図版を収録するもの、新たに解説が書き加えられたものと百花繚乱である。この書物こそパメラ・コールマン・スミスが後世に名を残す主要因であることを思えば、代表的なエディションを収集して書誌的分類を行うことは重要であろう。

There have been many editions around since the pulbication of the original The Pictorial Key to the Tarot (London: Rider, 1911) by Arthur Edward Waite. We would like to collect all the editions and sort out them bibliographically.

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The Pictorial Key to the Tarot (London: William Rider and Son, 1911).
ix + 340pp + adverts 48pp. 190mm*130mm

ライダー社、初版、1911年刊行(実際は1910年11月上旬に書店店頭にて販売開始)。天金、ウロボロスのギルトエンボス中に著者名あり。全頁上質紙に印刷されており、当然ながら後年の版に比べて線が繊細。


The Pictorial Key to the Tarot (London: William Rider & Son, 1922).
ix + 340pp. 190mm*130mm.

ライダー社、第2版、1922年刊行。全頁に上質紙を用いている。
最終340頁に Printed in Great Britain by Butler & Tanner, Frome and London の表記あり。


The Pictorial Key to the Tarot (London: Rider Company, 1974).
Second edition 1971 second impression June 1974. ix + 340pp. 207*135mm.


ロンドンのライダー社による『タロット図解』。モノクロ挿画。スタンダード。絵入りダストジャケットあり。
1922年版と同一の図版印刷時エラーが見られる。縦寸がやや長い。



The Pictorial Key to the Tarot (New York: University Books, 1959).
Introduction by Gertrude Moakley. Full Color plates. xxii + 340pp + 15pp(advertisement). 185*135mm.

ユニヴァーシティー・ブックス版。ウェイトの最後のタロット覚書、ガートルード・モークレイの序文が入り、巻末にはユニヴァーシティー・ブックス社刊行物の宣伝が15ページ入っている。特筆すべきは図版がすべてフルカラーになっていることだが、1960年以降の版ではモノクロ版となる。当時この書物の定価が7ドル50セント、同社刊行のRWSデックが5ドルで販売されていた。



The Pictorial Key to the Tarot (New York: Rudolph Steiner Publication, 1971).
introduction by Paul M. Allen. xii + 340pp. 178*107mm. paperback.

シュタイナー・ブックス版ペーパーバック。ポール・M・アレンの序文が追加されている。レイアウトや活字はライダー版と同一だが、モノクロの図版は細部において若干の差異が認められる。



The Pictorial Key to the Tarot (New York: Causeway Books, no date [c1973]).
introduction by Charles San. Full color plates. xiii + 338pp. 240*160mm.


コーズウェイ版ハードカバー。一回り大きい版型で、チャールズ・サンの序文がつけられている。カラー図版は4色刷りとのことで、ユニヴァーシティー・ブックス版のそれよりも全体的に曖昧化している。


The Pictorial Key to the Tarot (Stanford, CT: US Games Systems, 1993).
ix + 340pp. 178*107mm. paperback.

現行のUSゲームズ・システムズ版ペーパーバック。1910年版のリプリントとされており、新たな序文等の追加はなし。


The Pictorial Key to the Tarot (New York: Cosimo Classics, 2007).
229pp. 215*140mm. paperback.

コジモ・クラシック版ペーパーバック。プリント・オン・デマンド方式による出版のため、刊行年は一定ではない。新たな序文追加等はないが、テキストを新たに組み直してページ数を減らしている。図版はモノクロ。ペンタクルの8が一回り大きいためライダー版のフォトコピーと思われるが、ライダー版にある印刷時のダストエラーは除去されている。


The Pictorial Key to the Tarot (Dodo Press, 2009).
115p. 227*152mm. paperback.

ドードー・プレス版ペーパーバック。プリント・オン・デマンド。テキストを組み直し、さらに大アルカナの図版を縮小して収録。小アルカナは図版をすべてカットして解説文のみを収録し、頁数を大幅に減らしている。出版場所の明記なし。


The Pictorial Key to the Tarot (New York : Dover Publication, 2005).
229pp + adverts 18pp. 214mm*135mm. paperback.

ドーヴァー・パブリケーション版ペーパーバック。テキストを組み直してページ数を減らしているが、図版はライダー社の『図解』のフォトコピーを使用している。







A Pack of Tarot Cards, William Rider & Son, London, no date [1915?-1927?]

 パメラ・コールマン・スミスの名前を不滅のものとしたタロットカード。当館所蔵のパックは分類上「パメラD」と称され、一次大戦中あるいは戦後直後に制作されたものと推測されている。物資人材ともに不足するなかで印刷されたためか、裁断ミス、色ずれ等が多発する粗製乱造品との評価が下されるが、当館のパックはパメラDとしては上質の出来となっている。
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Bibliography

Main Works

Annancy Stories
, R.H.Russell, New York, 1899.
Widdicombe Fair, Doublday and McCLure Co., New York, 1899.
The Golden Vanity and The Green Bed, Doubleday and McLure Co., New York, 1899.
The Green Sheaf, 13 issues, London, 1903-4.
Chim-Chim, "the Green Sheaf", London, 1905.


Books with Pamela Colman Smith's illustrations
MacManus, Seumas: In Chimney Coners, Doubleday & McCLure Co., New York, 1899.
Stoker, Bram: The Lair of the White Worm, Rider, London, 1911.
Waite, A.E..: The Pictorial Key to the Tarot, Rider, London, 1910.
Terry, Ellen: The Russian Ballet, Sidwick & Jackson, London, 1913.: Bobbs-Merrill, New York, 1913.
anon.: Blue Beard, Duffield & Co., New York, 1913.
Fuller, Eunice: Book of Friendly Giants, Century Co., New York, 1914.
Lyttelton, Edith: The Sinclair Family, Heath Cranton, London, 1926.



Critical Studies
Parsons, Melinda Boyd: To All Believers : the art of Pamela Colman Smith, Delaware Art Museum, September 11- October 19, 1975. The Art Museum, Princeton University, November 4 - December 7, 1975, University of Delaware, New Ark, 1975.
Pamela Colman Smith. An exhibition of her work, arranged by Joan Coldwell and Ann Saddlemyer. Canadian Association for Irish Studies Tenth Annual Seminar McMaster University, Hamilton, Ontario, February 1977.
Kaplan, Stuart R.: The Encyclopedia of Tarot Volume III, U.S. Games Systems, Inc., Stamford, CT, 1990.
Kaplan, Stuart R.: The Artwork & Times of Pamela Colman Smith, U.S. Games Systems, Inc., Stamford, CT, 2009.
Jensen, K. Frank, The Story of the Waite-Smith Tarot, Association for Tarot Studies, Melbourne, 2006



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*Special Feature - Books by Mrs Colman, the maternal grandmother of PCS.

Mrs Colman edited, GOOD GIRL'S LIBRARY,

"Very Little Tales",
"Simple Stories",
"New Stories for Girls",
"Young Dreamer"
,

James Miller, New York, nd. [circa 1850].

コールマン夫人の編纂になる児童向け双書。単なる教訓話に終わらず、自然科学方面の興味と知識を与えようと試みるなど、当時としては斬新な部類か。挿絵もなかなか魅力的である。
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