希少初期版画集

或は
オトリー・コレクション

このコーナーは1828年に刊行されたウィリアム・ヤング・オトリーの『初期希少版画復刻集』より全画129葉を収録し、オトリーの解説を翻訳して添付することを目的としている。同書の復刻画は一大収集家でもあったオトリーがイタリア、ドイツ、フランドルから集めたもので、いまとなってはこの画集にのみ記録が残る図版も少なくない。単純に考えても貴重な資料である。

オトリー・コレクションのオカルト的価値は、無論のことイコノグラフィーの参考資料としての価値であり、また初期タロットカードにつながる各種の図版の存在にある。トラッポラ風プレイング・カードの素晴らしさは、是非ご自分の眼で確認していただきたい。


ニエロ象眼 図版1−16 円形聖人像その他。
硫黄ニエロ 図版17−19 創世記連作及び福音書連作。 
ニエロ版画 図版20−26 貴重図版各種。
初期ドイツ 図版27−42 ショーンガウワー等、各種貴重図版。
トラッポラ… 図版43−89 プレイング・カード
初期マスター1 図版90−104 マスターMZ等、貴重図版各種。
初期マスター2 図版105−117 マスターDV等、貴重図版各種。




ウィリアム・ヤング・オトリー William Young Ottley (1771-1836)

英国の美術収集家にして美術史家。裕福なインド農園主の家に生まれ、長じては美術の道を志す。1787年、ロンドンの王立アカデミー美術学校に入学。1791年から8年間に渡ってイタリア中を旅行し、美術を学びながら多数の美術品を買い入れる。1799年、ロンドンに戻ると美術商を開業。次々に研究書を発表して美術史家としての評価を固め、とりわけイタリアの初期版画研究に大いに寄与する。1833年、大英博物館版画線画主任に就任。1836年死去。


主要著作

The Italian School of Design, London, 1808.
An Inquiry into the Origin and Early History of Engraving on Copper and Wood, London, 1816.
A Collection of One Hundred And Twenty-Nine Fac-Similes Of Scarce And Curious Prints By Early Masters, London, 1826.;1828.


BACK